ワークライフバランスという言葉をご存知だろうか。これは、仕事と生活の調和のことを指す言葉である。年齢や性別に関わらず、仕事の充実と家庭、地域、自己啓発など個人の時間の充実は、車の両輪のように好循環をもたらしあうものだ。ワークライフバランスの実現が社会全体で求められている。
このワークライフバランスを推進していく上で、まず必要なのは意識啓発だ。働いてお金を稼ぐのは男性、家庭で家事や育児、介護といった無償の役割を担うのは女性、という性別に基づく固定的な役割分担意識を解消し、男女平等の社会を目指す、男女共同参画社会に向けての意識づくりが大事だ。
さらに子育てや介護などの多様なライフスタイルに対応した、働き方の環境整備も必要だ。これは長時間労働の是正や生産性向上に向けた効率的な働き方を推進する。長時間労働は、男性の家事や育児時間の少なさや、女性が仕事を続けられない原因の一つである。限られた時間で効率よく仕事を進めるためには、例えばノー残業デーを設けたり、管理職が率先して無駄な残業をやめて帰るなど、職場全体での取り組みが大切だ。
また仕事の企画から実施、評価まで、それぞれの過程に男女がともに参画することは、多様な視点や発想を生むことにつながる。統計的に女性の労働力率と就業希望者は、子育ての時期に下がってしまう。そこで育児休業や介護休業、子どもの看護休暇などの制度整備、フレックスタイム制度やテレワークの導入などの働く時間や場所の工夫、短時間正社員制度などの柔軟な雇用形態など、育児や介護などと仕事が両立できるような環境を整えることが必要不可欠である。